屋根修理・屋根工事のやね屋です。
築年数が経過した住宅では、屋根材の割れやズレといった分かりやすい劣化に目が向きがちですが、実はそれ以上に注意すべきなのが「屋根下地」の状態です。
屋根下地は普段まったく見えない部分であるため、問題が表面化したときにはすでに深刻なトラブルへ発展しているケースも少なくありません。
以下では、古い家で特に起こりやすい屋根下地の劣化と、それが招く大きな問題について、2つのブロックに分けて詳しく解説します。
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1:屋根下地が静かに劣化していく理由と古い家のリスク

- ・屋根下地とは、屋根材の下にある野地板や垂木、防水シートなど、屋根全体を支える重要な構造部分を指します。これらは屋根材のように直接雨や紫外線を受けるわけではありませんが、長年にわたり湿気やわずかな雨水の侵入を受け続けることで、少しずつ確実に劣化していきます。
- 古い家ほど注意が必要な理由の一つが、当時の建築基準や材料の違いです。築30年、40年を超える住宅では、防水シートの性能が現在ほど高くなく、野地板の厚みや耐久性も現代基準とは異なります。そのため、屋根材が問題なく見えていても、内部では防水性能が限界に近づいていることがあります。
- また、過去に台風や大雨、積雪などを何度も経験している住宅では、その都度少量の水が内部に入り込み、下地にダメージを蓄積させているケースも少なくありません。このような劣化は一気に進むものではなく、時間をかけて進行するため、住んでいる方が異変に気づくのは非常に難しいのが現実です。
- さらに、古い家では「これまで問題なかったから大丈夫」という安心感が、点検やメンテナンスの機会を遠ざけてしまうこともあります。しかし、その安心感こそが、屋根下地の劣化を見逃す大きな要因になっているのです。
2:屋根下地の劣化が引き起こす深刻なトラブル

- ・屋根下地の劣化が進行すると、最初に現れやすいのが雨漏りです。ただし、この段階での雨漏りは、すでに下地の傷みが相当進んでいるサインでもあります。防水シートが破れ、野地板が腐食している状態では、部分的な補修では対応できず、屋根全体の改修が必要になることも珍しくありません。
- さらに深刻なのが、建物構造への影響です。屋根下地の腐食が垂木や梁にまで及ぶと、屋根の強度が低下し、耐震性にも悪影響を与えます。特に木造住宅では、見えない部分の腐食が進むことで、地震時の安全性が大きく損なわれる可能性があります。
- また、屋根下地が弱っている状態で太陽光パネルを設置したり、重い屋根材へ変更したりすると、下地が荷重に耐えきれず、施工後に不具合が発生するケースもあります。こうしたトラブルは、工事後すぐに表面化しないことも多く、「なぜ問題が起きたのか分からないまま修理を繰り返す」という悪循環に陥る原因になります。
- 費用面でも、屋根下地の劣化を放置するリスクは大きいといえます。初期段階であれば部分補修や防水対策で済んだものが、劣化が進行することで葺き替えや構造補強といった大規模工事に発展し、結果的に大きな出費につながってしまいます。
3:まとめ

古い家では、屋根材がきれいに見えていても、屋根下地が静かに劣化している可能性があります。屋根下地は住まいを支える重要な部分であり、その劣化は雨漏りだけでなく、建物全体の安全性や耐久性に大きな影響を与えます。
見えない部分だからこそ、定期的な点検と早めの対応が欠かせません。古い家ほど「今まで大丈夫だったから安心」と考えず、屋根下地の状態を一度しっかり確認することが、大きなトラブルを防ぐ第一歩になります。屋根の健康は、住まい全体の安心につながる重要な要素だといえるでしょう。
どんなに注意しても知らないうちにトラブルに巻き込まれることは多々ございます。失敗しないためには相見積もりを行うことが一番のポイントかもしれません。
